オリジナルガシャットをつくる 〜大乱闘スマッシュブラザーズガシャット〜

自分は特に玩具改造が専門というわけではないので、以前に作ったマリオガシャットは、自分の趣味の電子工作の中でたまたま出来た作品の一つに過ぎませんでした。そのため、ガシャット作りは元々あの一つで終わるつもりだったのですが、なんだか自分の想像を遥かに超える方々に「良いね!」と言ってもらえて嬉しくなってしまったので、調子に乗ってもう一つ作ってみることにしました。

というワケで、オリジナルガシャットその2、『大乱闘スマッシュブラザーズガシャット』です。

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ごんぶとな見た目からわかるように、ベースはマイティブラザーズXXガシャットです。

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色は赤と青のメタリックのスプレーで塗装してみました。赤側の方はよく見ると塗装が荒くて地の色(オレンジ)が見えています。すみません、自分はこっち側のスキルは基本的にありません。

この赤と青は、『大乱闘スマッシュブラザーズ for 3DS』の赤と『大乱闘スマッシュブラザーズ for Wii U』の青をイメージしたものでした。

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↑この色ですね。

ところが、この塗装をした翌週ぐらいにパラドクスが出てきてしまい、見た目はすっかり彼のガシャットっぽくなってしまいました(本家は青一色ですが)。

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ラベルは『for 3DS』のパッケージ画像の切り取りです。タイトルはそれっぽく、海外版のロゴにしてみました。

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タイトルラベルは、マイティブラザーズXXのデザインをそのまま踏襲しました。実際のスマブラには『DX(デラックス)』と『X(エックス)』は存在するけれど、『XX』は存在しません。この、あるようなないような感じが、なんというか、創作っぽくて丁度良い(?)です。

 

さて、新しいガシャットを作るにあたり、単純にマリオガシャットの絵柄と発光、音声を別のゲームに差し替えたものを作るという方向もあったのですが、TV本編のガシャットがどんどんパワーアップしていろんなギミックを搭載したり、また公式でパックマンガシャットとかが出てきている今、普通のガシャットを作ってもあまりインパクトがないかなあという気がしたのと、何より同じ作業を繰り返すのが自分としても面白くなかったので、マリオガシャットに何かプラスαしたものを作ることにしました。

 

そのプラスαの結果が、キャラクター選択です。

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このガシャットは、それ単体では、スマッシュブラザーズのロゴマークが表示されてガシャット名が鳴るだけですが、

 

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こんな感じで、ガシャットの一面にamiibo(アミーボ)を近づけることで、ガシャットの音声・絵柄・LEDの発光パターンがすべて、対応するキャラクターのものに切り替わります。今はマリオ、リザードン、リンクの3キャラに対応しています。以下、各キャラの内容についての言い訳補足です。

 

【マリオ】

mar0 キャラクター選択

mar1  レベルアップ

mar2  ダブルアップ

mar3  キメワザ

マリオは以前にマリオガシャットを作成済みですが、本来ならレベル3として登場させるべきだったファイアマリオを表現できなかったのが心残りでした。今回は晴れて、キメワザ担当として登場させることができました。

スマブラを題材にすることによって、「各キャラの『キメワザ』をどうするか」に頭を悩ませる必要がなくなりました(←マリオガシャットのときは苦肉の策で、マリオ64の三段飛びのイメージで作りました)。なぜならスマブラでは、各キャラに『最後の切りふだ』という超必殺技が設定されているからです。マリオの『最後の切りふだ』は、巨大ファイアボールを放つ『マリオファイナル』です。

ちなみに、すべてのキャラのキメワザの音声は、実際に『スマッシュブラザーズ for Wii U』のゲームで使用されている音声を、Wii U Game PadのスピーカーにiPhoneを押し当ててボイスメモアプリで録音したものです。

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↑こんな風に。超アナログなやり方ですが、これでも十分クリアな音声が得られます。スマブラは設定でステージ音楽をOFFにできるので大変助かりました。

 

【リザードン】

liz0 キャラクター選択

liz1 レベルアップ

liz2  ダブルアップ

liz3 キメワザ

ヒトカゲとリザードンのドット絵については、『スーパーマリオメーカー』のキャラマリオとして出てくるヒトカゲとリザードンのデザインをそのまま使用させてもらっています。キメワザのメガリザードンXについては、リザードンの色を変えて、なんとかそれっぽく見えるようにちょっとだけ修正してみたものです。すみません、自分にはデザイン関係のスキルはないのです。

ちなみに、今回使用しているドット絵画像は、主に『スーパーマリオメーカー』のキャラマリオの画面を写真で撮ったものを参考にしながら、すべてドット絵エディタで自分で打ち直しています。

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↑こんな風に。超アナログなやり方ですが、ドット絵なら絵が描けない自分でも何とかなります。

なお、アイテムゲットやゲームクリア音もまた、『スーパーマリオメーカー』の効果音を使用しています。そんなワケで、ガシャットのテーマとしては『大乱闘スマッシュブラザーズ』ですが、その実現にあたっては『スーパーマリオメーカー』が大いに役立っています。

リザードンについては、多くの方にあまり馴染みのないドット絵で表現してしまったたため、動画ではピントの合わせ辛さも相まって、何が表示されているのかよくわからなかった方も多かったかもしれません。特にヒトカゲ。申し訳ありません。

 

【リンク】

lin0 キャラクター選択

lin1 レベルアップ

lin2 ダブルアップ

lin3 キメワザ

マリオとリザードンについては、元々「レベルアップ」に相当する変化を持っていた(←「チビ / スーパーマリオ」と「進化」)ので悩むことはなかったのですが、リンクについては「何をもってレベルアップとするか」は、ちょっと考える必要がありました。

結果、『時のオカリナ』での子供リンクから大人リンクヘの変化を「レベルアップ」に位置付けることにしました。そのため、ダブルアップのときの音声は、リンクが時の神殿で時を越えるときの音声にしています。また、それを絵で表現するために、初めは「子供リンク」の位置付けでトゥーンリンクのキャラマリオの絵を使用し、ダブルアップ後の「大人リンク」の位置付けで普通のリンクの絵を使用しています。厳密にはどっちも大人かもしれないしどっちも子供かもしれないのですが、ここはまあ、イメージということでお許しください。

今回作った3キャラの中ではこのリンクが一番お気に入りです。特にキメワザ(最後の切りふだ:トライフォースラッシュ)。

 

こんな感じで3キャラ変更という機能を用意してしまったがために、ただでさえ大変なコンテンツ作成(=音声・画像データの作成とLED発光パターンの作成)の手間がマリオガシャットの3倍になってしまいました。例えば音声データで言うと、以下のように44ファイル作成しています。

<共通>
1. GAME START    ... ガシャット 電源ON
2. DOUBLE GASHAT ... ダブルガシャット
3. GAME TITLE    ... ゲーム名
4. GASHAT OUT    ... ガシャット OUT
<デフォルト>
5. GASHAT NAME ... ガシャット名
<マリオ>
6.  CHARACTER SELECT ... キャラセレクト
7.  ITEM GET         ... アイテムゲット
8.  GAME CLEAR       ... ゲームクリアー
9.  LEVEL UP READY 1 ... レベルアップ 待機(ガシャットINから):地上BGM
10. LEVEL UP READY 2 ... レベルアップ 待機(ドライバーCLOSEから):地上BGM
11. LEVEL UP         ... レベルアップ:ジャンプ+コイン
12. DOUBLE UP READY  ... ダブルアップ 待機:ワールドクリアBGM
13. DOUBLE UP        ... ダブルアップ:ジャンプ+キノコ
14. CRITICAL STRIKE READY 1 ... クリティカルストライク待機(名乗りから):スターBGM
15. CRITICAL STRIKE READY 2 ... クリティカルストライク待機(ドライバーCLOSEから):スターBGM
16: CRITICAL STRIKE READY 3 ... クリティカルストライク待機(単独)
17. CRITICAL STRIKE         ... クリティカルストライク
18. CRITICAL STRIKE 2       ... クリティカルストライク(名乗りから)
<リンク>
19. CHARACTER SELECT ... キャラセレクト
20. ITEM GET         ... アイテムゲット
21. GAME CLEAR       ... ゲームクリアー
22. LEVEL UP READY 1 ... レベルアップ 待機(ガシャットINから):宝箱オープン
23. LEVEL UP READY 2 ... レベルアップ 待機(ドライバーCLOSEから):宝箱オープン
24. LEVEL UP         ... レベルアップ:アイテムゲット
25. DOUBLE UP READY  ... ダブルアップ 待機:マスターソード
26. DOUBLE UP        ... ダブルアップ:ハートの器ゲット
27. CRITICAL STRIKE READY 1 ... クリティカルストライク待機(名乗りから):メインテーマ
28. CRITICAL STRIKE READY 2 ... クリティカルストライク待機(ドライバーCLOSEから):メインテーマ
29: CRITICAL STRIKE READY 3 ... クリティカルストライク待機(単独):メインテーマ
30. CRITICAL STRIKE         ... クリティカルストライク
31. CRITICAL STRIKE 2       ... クリティカルストライク(名乗りから)
<リザードン>
32. CHARACTER SELECT ... キャラセレクト
33. ITEM GET         ... アイテムゲット
34. GAME CLEAR       ... ゲームクリアー
35. LEVEL UP READY 1 ... レベルアップ 待機(ガシャットINから):タイトル
36. LEVEL UP READY 2 ... レベルアップ 待機(ドライバーCLOSEから):タイトル
37. LEVEL UP         ... レベルアップ:ヒトカゲ鳴き声+レベルアップ効果音
38. DOUBLE UP READY  ... ダブルアップ 待機:進化BGM
39. DOUBLE UP        ... ダブルアップ:リザードン鳴き声+進化効果音
40. CRITICAL STRIKE READY 1 ... クリティカルストライク待機(名乗りから):オープニング
41. CRITICAL STRIKE READY 2 ... クリティカルストライク待機(ドライバーCLOSEから):オープニング
42: CRITICAL STRIKE READY 3 ... クリティカルストライク待機(単独):オープニング
43. CRITICAL STRIKE         ... クリティカルストライク
44. CRITICAL STRIKE 2       ... クリティカルストライク(名乗りから)

… うん、二度とやりたくないですね!

 

さらに、amiiboによるキャラ変更と各段階での画像変更を実現するために、NFCリーダーと液晶ディスプレイを追加してやる必要があり、ガシャットの中身もさらに複雑怪奇なものになってしまいました。

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… うん、二度と作りたくないですね! コストもかかり過ぎですし(←一万オーバー)。

元々は音声だけを切り替えるつもりでいたのですが、本家の方がマイティブラザーズXXやらデュアルガシャットやらで限定的とはいえ絵柄を変えられるようにしてきたので、それには何となく負けたくなくて、何とか絵柄を変える方法はないかと考えた結果、ディスプレイの搭載に踏み切りました。

また、キャラクター切り替えは、amiiboの中に組み込まれているNFCチップのUIDを読み取ることによって実現しているのですが、わざわざそんなやり方をしなくても、ドラゴナイトハンターZガシャットのようにボタン操作でキャラクターを切り替えることも当然可能です。

実は、自分が前にamiiboオルゴールを作ったときにamiiboを扱えるようになったので、それをうまく活かせないかな、というところから、このガシャットのアイデアはスタートしています。そこから、「そう言えばamiiboが最初に使われたのはスマブラだったなー」と思い至り、ガシャットのテーマをスマブラにすれば色々(←キャラ選択の理由付けとかキメワザの処理とか)うまくまとまるのが見えてきたので、結果としてスマブラを題材にしたガシャットになった、という経緯があります。そういうワケで、事の発端となったこのアイデアは、記念に(?)そのまま採用することにしました。スマブラっぽいですし、おもちゃとして絵的にもおもしろいですし。

 

なお、冒頭に上げているYouTubeの動画ですが、動画撮影が何回やってもうまくいかなくて、一番うまくいったものでもピンボケ気味になってしまったのが、心残りといえば心残りです。

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実際に肉眼で見ると、若干暗めの場所限定にはなりますが、こんな感じでかなり綺麗に見えます。ゲームっぽくて良い感じ。写真だと綺麗に撮れるのになー。動画にするとダメダメになるという。。。うーん、悔しい。

 

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というわけで、『大乱闘スマッシュブラザーズガシャット』のご紹介でした。今回は「自分の今持っている技術をフル活用すると何が作れるか?」というところから開発がスタートしたので、結果として出来上がったものが「『ライダー』ガシャットと言えるかどうか」というと、それは正直微妙だと思います。あんまりライダー要素がないです。ただ、一つの玩具としてはおもしろいものになったかなーと思いますし、作っている最中は楽しくて出来上がりにもそれなりに満足しているので、自分としてはそれでOKです。

ちなみに、よりライダーに特化したガシャットを作るとすれば、これと全く同じ方式で『仮面ライダー サモンライド!』を題材にガシャットを作るという手もあるのですが。。。それは、まあ、やめときましょう

 

ガシャット作りについては、これで結構やりきった感がありますので、次週にソースコードと中身の簡単な解説をして、ガシャット作りはとりあえずお終いにするつもりです。できればこれからは、他の人が作ったオリジナルガシャットを見てみたいなーと思っています。