BS01とBuildTakのために角井銅商店で銅板を購入したお話

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ちょっときっかけがあって、半年以上ぶりぐらいに3DプリンタBS01を起動させました。

簡単にグリスとかだけ塗り直して造形してみたところ、

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うーん、あんまりよろしくない。後でバリとかをとればそれなりには見えるのだけれど。

それで久しぶりにBS01 Wikiなど見ていたら、自分がBuildTak(フィラメントの食いつきを良くしてくれるアイテム)の使い方を間違っていたことに今更気がつきました。

どういうことかと言いますと、

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BuildTakの裏側が剥離紙になっていて、ベッドの上に貼り付けられる、ということを知らなかったのです。そのため、

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こんな感じでヒートベッドの上にBuildTakを載せて、左右からクリップで止めるだけ、という使い方をしていました。載っているだけで、貼り付けられていない。

こういう使い方をしていると、初回は綺麗に造形できるのですが、数回造形をすると、

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こんな感じで、BuildTakがぐにゃりと歪んでしまうのです。この状態だとクリップで止めていても、造形物の底面は歪んでしまうのです。

「BuildTakは便利だけど、すごく寿命短いなー」と思っていたら、単純に自分が使い方を間違ってました、という話です。こちらにマニュアルもちゃんとあるのですが、少なくとも自分がBuildTakを買った時にはこのマニュアルはなかった気がする…

 

ということで、BuildTakの正しい使い方がわかったのですが、こちらとかマニュアルを見ると、BuildTakは銅板に貼り付けて使うと良いらしいです。適切な銅板のサイズは「137×190mm(板厚1ミリ程度)」と指定されているので、どうにかこのサイズの銅板を調達する必要があります。

自分で銅板を加工するなら

例えばこんな感じの銅板を買ってきて

こんなんで切断することになるかと思いますが、自分が過去に銅板をこういうので切ろうとしたら、力がいるわ綺麗に切れないわでなかなか大変だった記憶があります。

ということで、今回はこちらでリンクが貼られていた「角井銅商店」というお店に銅板の加工を依頼してみることにしました。いざホームページにアクセス。

 

 

……うん。90年代後半、もしくは2000年代初頭を彷彿とさせる、なかなかに趣のあるホームページですね。

早速注文しようとしましたが、注文フォームらしきところがどこにも見当たりません。どうやら「お問い合わせ」から直接メールで見積もり依頼する必要がある模様。うーん、Amazonでの買い物に慣れきってしまった現代っ子(?)からしたら、ちょっとハードルが上がります。

とりあえずエイヤで以下のような見積もり依頼メールを送りました。

 

件名:銅板お見積もりのお願い
角井銅商店  様

メールにて失礼致します。
◯◯◯◯と申します。

下記のサイズでカットいただいた銅板を
ご用意いただくことは可能でしょうか。

137mm×190mm(厚さ1mm)

お手数をお掛けいたしますが、
お見積りを宜しくお願い致します。

 

これを送ったのが月曜日の深夜。すると、翌火曜の朝にはすぐに見積もり結果のメールが返ってきました。

 

     厚み     大きさ   枚数  金額
 
銅板  1.0mm    137mm×190mm   1 枚     340 円(税別)

 

… 安っ!

言ってみればオーダーメイドなので、3000円ぐらいは覚悟していたのですが、予想より一桁安かったです。時勢により価格の変動はあるでしょうが、それでもAmazonで銅板買うより遥かに安いです。

ということで、1枚だけお願いするつもりが安かったので2枚買うことにして、火曜のお昼に改めて注文メールを送信。すると、すぐに振込先の銀行口座の連絡が来たので、その日の夕方に入金。翌日水曜午前中には入金が確認され、発送連絡あり。翌木曜日に商品到着。Amazonに負けない速さで商品が到着しました(家がお店のある京都に近いから、というのもありますが)。

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郵便局のレターパックライトで届きました。

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中には包みがあり。

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包みを開けると納品証が貼り付けられた外装があり。

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外装を開けると新聞で包まれており…めちゃめちゃ丁寧です。

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新聞を開けると綺麗にカットされた銅板が出てきました。

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ピッタリ!

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早速、剥離紙を剥がしてBuildTakを貼り付けます。真ん中上あたりに僅かに気泡が入ってしまいました … 失敗。

 

その後、念のためノズルとベッドの間の距離を確認し、ついでにリトラクト値を調整して再出力。

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 うーん、バリとかはまだまだ出てるけど、前よりはだいぶマシです。てっぺん辺りがぐにゃぐにゃしているので、ノズルの温度がちょっと高いのかもしれません。

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左が今回の出力、右が前回の出力(曲がったBuildTakを使った出力)になります。全然違いますね。

 

ということで、自分以外にあまりいないと思いますが、BuildTakの使い方を間違えないようにしましょう、というお話でした。

それから、BuildTakを貼り付けるのに使う銅板は、BS01のWikiでリンクが貼られていることからもわかるように、角井銅商店さんにお願いするのが超オススメです。自分の場合は送料が+500〜600円かかりましたが、それでもAmazonで買うより全然安いですし、さらに寸法は正確、対応は早い、梱包は丁寧とスキがないです。さすが専門店。ホームページがとっつきにくいかもしれませんが、私の送った見積もり依頼メールをテンプレにでもしていただいて良いので、是非ご利用くださればと思います。

 

【2016/5/12 追記】

ちなみに、このBuildTakを貼った銅板は、

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こんな感じで、カプトンテープを貼ったアルミテーブルの上に乗せて、両脇から目玉クリップで挟んで使っています。銅板に貼る前と同じやり方ですが、今は銅板にしっかりと貼り付いているので、BuildTakが曲がるようなことはありません。

見た目はあまりカッコよくないかもしれませんが、今の所はこんな感じでBuildTak+銅板をBS01本体から簡単に着脱可能にしておくのが良いかと思っています。

理由は主に2つです。一つは、BuildTak+銅板をアルミテーブルの上にしっかりくっつけてしまうと、造形後に造形物をひっぺがすときに、アルミテーブルやZ軸ごとグラグラさせてしまう可能性があるからです。そうなると、部品を痛めてしまったり、またせっかく調整したノズルとテーブルの間の距離などが狂ってしまいそうなので、BuildTak+銅板を取り外せるようにして、アルミテーブルの高さ調整やZ軸に影響を与えることなく造形物をひっぺがすことができるようにしています。

もう一つの理由としては、BuildTak+銅板でもどうしてもフィラメントがうまく食いつかないときに、BuildTak上にケープをふっかけて食いつきをさらに良くするという裏技みたいなものがあるのですが、

この「ケープをふっかける」という行為は、BS01の筐体内ではやってはいけないこととされています(ケープの中ののり状物質がBS01の中で固着して不具合を起こす可能性があるため)。そのため、ケーブを使うときのために、BS01の外でBuildTak+銅板にケーブをふっかけてからアルミテーブルの上に乗せられるようにしています。

ついでに言うと、目玉クリップで挟む位置は、少し気をつけた方が良いかと思います。写真左下(手前)のクリップは、あんまり深く挟んでしまうと、テーブルが初期位置が上昇しきった時にプリントヘッドのノズルが接触してしまいます。また、写真左上と右上(奥側)のクリップは、テーブルから少しでも奥にはみ出るように挟んでしまうと、テーブルが初期位置から上昇していく時にクリップがモーターに引っかかってテーブルが上昇しなくなり、すぐに止めてあげないとおそらくBS01が壊れます(すごい音がしてメチャメチャ怖かったです)。