XBeeでドア開閉センサをつくる 検証編

th_xbee_ref_1th_xbee_ref_2th_xbee_ref_5

前回、XBeeを使った開閉センサを作るところまでやりました。コイン電池CR2032を使う場合、ものすごくざっくりとした計算では22.5〜39.0日ぐらいは持ってくれるはずだったのですが、実際に運用を開始してみたところ、2日目にしてコネクションが勝手に切れてしまったようで、スリープ動作を示すLEDランプが点滅しっぱなしになり、データが送られなくなってしまいました。新品の電池に入れ換えてみても、今度は1日ぐらいで同じ現象が発生してしまいました。

うーん、何が原因なんでしょう。おかしくなった状態の開閉センサからコイン電池を取り外して電圧を測ってみたところ、2.8Vぐらいでした。CR2032は基本3Vなので、電池そのものには特に問題はないように思います。XBeeは仕様上では2.1V〜3.6Vで動くはずなんだけどな。。。今回使用した秋月のXBeeピッチ変換基板にはデフォルトで3.3V電圧レギュレータが実装されているのですが、これにはやっぱり3.3V以上かけないといけないとか、そんな感じなんでしょうか。こちらのサイト「秋月のピッチ変換基盤は0.3V電圧が下がるよ」という記述も気になります。

正直電源周りのことはまったくよくわかっていないのですが、仮に電圧が足りないのが原因だとした場合、自分が考えられる手は4つです。

1. 自力で昇圧させる

 

無理

です。残念ながら、今の自分にそんなスキルはありません。

 

2. MB-Xを使う

ストロベリーリナックスの販売している『MB-X』は、1V〜6Vの電源から3.3Vを取り出せるDC-DCコンバータを搭載している上に、動作確認用のチップLED等も全て搭載された、優れもののXBeeピッチ変換基板です。これなら3Vのボタン電池でも、電池を使いきるまでは低電圧による動作不良を起こすことはないのではないかと思います。

実際に使うとこんな感じです。大きさは秋月のピッチ変換基板よりちょっとだけ横に太いぐらい。

th_xbee_ref_1

優等生な変換基板ですが、価格がネックです。一個1,200円。お金に余裕のある方はどうぞ。

ちなみに、先に途中で動作がおかしくなったときに使用していた電池を、このMB-Xで昇圧しながら使ってみると、確かに動いてくれたのですが、これまた1〜2日ぐらいで同様の現象が発生してしまいました。なぜ??

 

3. スイッチサイエンス製のXBee変換ピッチ変換基盤を使う

こっちは2.の考え方と逆で、「レギュレータなしでも適切な電圧を入れてやれば良いのでないの?」というアプローチです。

秋月の変換基板と違って、こっちはレギュレータもパスコンとやらもついてませんし、動作確認用のLEDも抵抗もついてきません。なのに100円高い(400〜500円)。最初は「秋月の方がパスコンとやらもLEDもついてるし100円安いしお得やんけ!」と思って秋月のを買いましたが、今の状況を鑑みるに、自分の狙い(=できればコイン電池で動かしたい)に合っているのはこっちだったのかもしれません。レギュレータがないので、入力電圧はダイレクトにXBeeに伝わるハズですし。コンデンサを自分でつけなきゃいけないというのが自分の中ではかなり嫌だなあと思っていたのですが、手持ちにちょうど良さげ(0.1μF)なコンデンサがあったので、これをつければ済むだけの話です。

ちなみに、自分みたいに滅多にコンデンサを使わない(使えない)にわか電子工作好きでも、こういうのが一個あると、いざどうしても使わなくてはいけなくなってしまったときに便利です。

実際に使うとこんな感じです。基板上にスリープ確認用と通信確認用のLEDを実装できるので、綺麗に収まります。

 th_xbee_ref_2

抵抗とパスコンの取り付けはこんな感じ。LEDはジャンパで利用する/しないを簡単に切り替えられるので便利です。

th_xbee_ref_3

通信確認用のLEDを省エネのために切った状態で運用してみたところ、秋月の変換基板を使ったとき(=2日程度で通信不能)に比べると確かに動作期間は長かったのですが、それでも9日と9時間程度で通信不能に陥ってしまいました。。。うーん、全然試算どおりには動いてくれません。

 

4. コイン電池を諦める

コイン電池の3.0Vだと不安定になるというのなら、3.0V以上かけられる電源を使えばよいだけではないですか、ということで、コイン電池に拘らない人は、素直にそうするのが一番良いと思います。例えば単四形のニッケル水素電池(エネループとかエボルタとか)を3本直列に繋げば1.2V×3=3.6Vでちょうど良い電圧になりますし、大きさもそこまで大きくならないと思います。しかも容量は3.5倍(780mAh)。単三電池にすれば8.8倍(2000mAh)ぐらいにもなります。

図体が気になるならリチウムイオンポリマー電池を使う手もありますが、最近入手し辛くなっているようですし、取り扱いに気を使う必要があるので、個人的にはニッケル水素電池の方がオススメです。

th_xbee_ref_4

th_xbee_ref_5

実際に単四電池ボックスと接続してみた状態。今はこれでテスト運用しています。

(2015/7/16追記:2.5ヶ月ほどで電池切れしました。予想よりは短い気がしますが、まあ実運用に使えんこともないかな、という感じです。単純に容量が2.5倍ある単三電池なら、半年持つ計算になります)

 

ということで、個人的にいろいろ試してみた結果では、スイッチサイエンス製のピッチ変換基板+ニッケル水素電池3本を使うのが一番安定しているようです。ただ、結果が試算と大きく食い違ってしまっているので、おそらく自分が作った回路に何かが足りていないのではないかと思います。もしくは動作確認用のLEDの電力消費が自分の想定以上に大きいのか。こういうとき、自分の未熟さが情けなく思えてしまいます。もっとちゃんと電気回路の基礎を学ばないとダメだな。。。